文字サイズ
2017.10.10
原島 一男
“Don't worry. You're not my type.”
「心配しないで。あなたはわたしのタイプじゃないわ」
(バニラ・スカイ)
映画の中で話されている、上品で丁寧なフレーズをそのまま紹介する連載。
父親から出版社を受け継いだデヴィッド(トム・クルーズ)はリッチでハンサム。
ニューヨークのコンドミニアムに住み、 ガールフレンドにはジュリー(キャメロン・ディアス)という美しい女性がいます。
ジュリ−と一夜を過ごした朝の二人の会話。
----------------------------------------------------------------------------
JURIE: Don't worry. You're not my type. 「心配しないで。あなたはわたしのタイプじゃないわ。
I like skinny musicians with わたしは不確かで’妖しい’才能を持った
questionable talent, やせてるミュージシャンが好き。
who tell me I'm beautiful, わたしを美しいと言ってくれて、
spend my money and leave me それで、わたしのお金を使って、
for a younger super-model. 若いスーパーモデルのためにわたしを捨ててしまう。
That's my type. そういうのが、わたしのタイプよ」
-「バニラ・スカイ」(Vanilla Sky 2001年 監督/脚本:キャメロン・クロウ)
----------------------------------------------------------------------------
・questionable = 不確かな/疑わしい/妖しい/あぶない
かなり、これはこれで妖しげな発言なのですが、この「バニラ・スカイ」はスペインのスリラー映画「オープン・ユア・アイズ」のリメイク。
一見幸せで文句のない生活を送っていたデヴィッドは、ある日ソフィア(ペネロペ・クロス)という女性に出会い心を奪われます。
これを知ったジュリーは嫉妬のあまりデヴィッドを車に乗せて無理心中を図ります。かろうじて、生き残ったデヴィッドの顔は無残につぶれ、そのときを境にデヴィッドの次の人生が始まるのです。
主演のトム・クルーズは「これは何でも充たされているデヴィッドの’自己発見の旅’。それまで他人の感情に無頓着だった男性にとって、‘代償’と呼ぶべきものでしょう」と語ります。
また、監督のキャメロン・クロウは「トムはデヴィッドという人間を誰もが共感できる普通の人物として演じてくれました。
脚本で伝えたかったことをスクリーンで表現するため、納得の行くまで努力してくれました」と語っています。
人生とは何があるかわからない、、、いろいろあるということですね。
原島一男著「心をなごませる感じのよい英会話」(ベレ出版) 好評発売中
原島一男著「単語で通じる英会話」(ベレ出版) 好評発売中
原島一男著「映画のなかのちょっといい英語」(麗澤大学出版)好評発売中
原島 一男
Kazuo Harashima
一般社団法人内外メディア研究会理事長、ノンフィクション作家。慶應義塾大学経済学部卒業。ボストン大学大学院コミュニケーション学科に留学後、1959年NHKに入局。国際局で英語ニュース記者・チーフプロデューサーを務める。定年退職後、山一電機株式会社に入社、取締役・経営企画部長などを務める。現在、英語・自動車・オーディオ関連の単行本や雑誌連載の執筆に専念。日本記者クラブ・日本ペンクラブ会員。『店員さんの英会話ハンドブック』(ベレ出版)、『オードリーのように英語を話したい!』(ジャパン・タイムズ)、『なんといってもメルセデス』(マネジメント社)など、著書多数。