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2018.11.12
原島 一男
“I don’t know when I’ve ever had a nicer breakfast.”
「こんなに楽しい朝食をしたのはいつだったろう」
(レボリューショナリ−ロード/燃え尽きるまで)
映画の中で話されている、上品で丁寧、そして役立つフレーズをそのまま紹介する連載。
第二次大戦が終わり、希望に満ちた1950年代のアメリカ。
郊外の住宅地レボリューショナリ−ロードに住むフランク(レオナルド・デカプリオ)とエイプリル(ケイト・ウィンスレット)夫妻はモデル的な存在です。仕事のできるフランクと専業主婦のエイプリルは二人の子供に恵まれ、豊かで将来性ある人生が約束されています。これは、フランクが昇進の内示を受けることになった日の朝食の夫婦の会話。
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APRIL: It’s a kind of an important day for you, isn't it? 「今日はあなたの大事な日よね。
What exactly do you think you’ll be doing? 具体的には、どんな仕事になるの?」
FRANK: Well, of course I don’t really 「実は、ぼくにも、
know much yet myself... that’s the thing... よく解らないんだけど, そうだなあ、、、。
Knox may be getting ready to buy up 会社(ノックス)が
one of these really big computers... 新型コンピュータの導入を考えている。
Listen, though, April, this was really nice. でもね、聞いて、エイプリル、この食事とってもいい、
Really, I don’t know when すばらしい。
I’ve ever had a nicer breakfast. こんなに楽しい朝食をしたのはいつだったろう」
APRIL: Thank you. I’m glad... I enjoyed it too. 「あら、どうも、嬉しいわ。わたしも楽しんだわ」
-「レボリューショナリ−ロード/燃え尽きるまで」(Revolutionary Road 2008年
監督/製作:サム・メンデス 脚色:ジャステイン・ヘイス 原作:リチャード・イエーツ)
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専業主婦には満足できないエイプリル。コンピュータ事業に乗り出す会社で重要な地位に就くフランク。
コンピュータの出現で大きく転換した1950年代のアメリカ。個人としての夫婦の感性の違いがどんな結果をもたらすのでしょうか?
・ a kind of : (一種の/言ってみれば)と an important day (大切な日)を修飾している
・ exactly :(正確には/具体的には)と what do you think 〜?(あなたはどう思うの?)に付け加えて、詳細を聞き出そうとしている
・ that’s the thing... : そうだなあ/そういうことなんだけど/それが問題なんだけど(挿入句)
・ Knox : ノックス社(フランクが務めている会社)
・ get ready : 準備が進んでいる
・ buy up : 買い占めようする
・ Listen、though:「でもね。聞いて!」と話題と変えたり、相手の気持ちをひきつける協調の言葉
・ really : 本当に/とっても 強調する言葉
・ I don’t know when I’ve ever had a nicer breakfast. 「こんなにもっと良い朝食をしたときのことを思い出せない」と
否定形を使うことで自分の気持ちを押し出している。
(e.g.)
“I don't know how to say good-bye. I can't think of any words.”
「何て言ってお別れしていいか、何の言葉も思いつかないの」
-「ローマの休日」(Roman Holiday 1953)
“I can't tell you how much I appreciate.”
「何とお礼を申し上げてよいかわかりません」
-「ティファニーで朝食を」(Breakfast at Tiffany's 1961)
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原島 一男
Kazuo Harashima
一般社団法人内外メディア研究会理事長、ノンフィクション作家。慶應義塾大学経済学部卒業。ボストン大学大学院コミュニケーション学科に留学後、1959年NHKに入局。国際局で英語ニュース記者・チーフプロデューサーを務める。定年退職後、山一電機株式会社に入社、取締役・経営企画部長などを務める。現在、英語・自動車・オーディオ関連の単行本や雑誌連載の執筆に専念。日本記者クラブ・日本ペンクラブ会員。『店員さんの英会話ハンドブック』(ベレ出版)、『オードリーのように英語を話したい!』(ジャパン・タイムズ)、『なんといってもメルセデス』(マネジメント社)など、著書多数。