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2018.07.23
小川 達大
ベトナムで大手企業と言えば国営企業というイメージが強いかもしれませんが、ベトナム経済を大いに支えている民間企業もあります。例えば、VinGroup。ベトナムに訪れたことがある方には、ビンコムセンターというショッピングモールを開発した会社という紹介が良いかもしれません。
Phạm Nhật Vượng(ファム・ニャット・ヴーン)氏が、一代で築き上げた大企業です。1968年生まれの、「ベトナムで最も裕福なベトナム人」として知られています。彼はモスクワの大学に留学したのち、ウクライナで、即席麺のメーカーを起業し、ウクライナで最も有名なブランドの1つにまで育てます。その事業をネスレに売却した彼は、2000年に活動の拠点をベトナムに移します。
VinCom(ビンコム)というショッピンセンター事業と、VinPearl(ビンパール)というリゾート事業から始まり、グループの規模と事業領域を拡大させていきます。今や、その活動の範囲は不動産関連に止まりません。
2018年に入ってからの多角化の勢いは凄まじく、自社ブランドのスマートフォン(V Smart)や、ゼネラルモーターズとの協力によるベトナム初の乗用車ブランドVinFastや、さらには医薬品(漢方など)を手掛けるVinFaなど。
直近7年で売上高は、なんと40倍に!
急拡大のリスクや副作用はもちろんあるでしょうが、このダイナミックさは、まさに「ベトナミーズ・ドリーム」と言えるでしょう。
それでは、ヘンガップライ!
(出所:VinGroupウェブサイト、SPEEDA)
小川 達大
Tatsuhiro Ogawa
経営戦略コンサルティング会社Corporate Directions, Inc. (CDI) Asia Business Unit Director。同ベトナム法人General Director、同シンガポール法人Vice Presidentを兼任。 日本国内での日本企業に対する経営コンサルタント経験を経て、東南アジアへ活動の拠点を移す。以降、消費財メーカー、産業材メーカー、サービス事業など様々な業種の東南アジア展開の支援を手掛けている。ASEAN域内戦略立案・実行支援、現地企業とのパートナリング(M&A、JVづくり、PMI等)支援、グローバルマネジメント構築支援など。日本企業のアジア展開支援だけでなく、アジア企業の発展支援にも取り組んでおり、アジアビジネス圏発展への貢献に尽力している。
CDI Asia Business Unit