「エンゲージメント」
企業と従業員の目指すべき関係のあり方として、昨今よく使われる言葉です。企業が従業員個人に一方的に忠誠(ロイヤリティ)を求めるのでも、また逆に従業員が求める全てに応えようとする一方的な従業員満足でもなく、企業と従業員が共に「選び合い」、相互貢献に対するモチベーションが保たれた状態を指します。企業の活動がボーダレスに繋がった今、この関係性をグローバルフィールドで紡ぎ上げることが求められています。グローバルに広がる商品・サービス市場では陳腐化と短命化が加速度的に進むため、競争優位性は他との違いや新たな価値を生み出せる「人・組織」にシフトします。エンゲージメントが今、企業経営に欠かせないものとして声高に言われる背景にはこのパワーシフトがあるといえるでしょう。
グローバルフィールドを舞台にビジネスを展開する「企業」は、ボーダレスにつながった「労働市場」のなかで、多様な能力や価値観を持った社内外の人材から「選ばれる」だけの魅力を備えた組織でなければなりません。一方で、「個人(従業員)」においても、多様な人たちが集い、VUCA※と言われる先の見えないグローバルフィールドの中で成果を出せるスキル、個々人の違いを束ね組織成果や新たな価値を生み出すリーダーシップが求められています。
私たちは、これまで多くの日本企業が抱える「異文化対応」の問題、「グローバル化」に向けた課題、グローバルフィールドで活躍できる「人材の育成課題」に向き合うことで、ソリューションを磨いてきました。私たち自身も、多様な個々のモチベーションを束ね組織成果に繋げていくマネジメント、組織と個人が相互に選ばれるエンゲージメントの関係創りに向き合うことで、日々、机上の空論ではない、実効性のあるソリューションとして検証を続けています。
短期的な利益を過度に追ったり、物事を要素還元的に捉えたりするのではなく、長期的視点で関係性を大切にすることで持続的な繁栄を目指していく姿勢は、日本企業の本質であり、これから世界中の企業が目指していくべき方向性と確信しています。私たちはこれからも、一つでも多くの「日本発、企業と個人が持続的に成長していくエンゲージメント」の成功事例を、グローバルビジネスフィールドに送り出していきたいと思います。
※ VUCA:Volatility(変動)、Uncertainty(不確実)、Complexity(複雑)、Ambiguity(曖昧)の頭文字をつなぎ合わせた造語で、これら四つの要因により、現在のグローバル環境が極めて予測困難な状況に直面しているという時代認識を表すキーワード