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小川 達大
Tatsuhiro Ogawa
米中貿易摩擦が熱を増しています。Trade Warという言い方もされていますが、それは、「貿易版の戦争のようなもの」ということというよりは、「現代における戦争の舞台が貿易である」ということを意味しているようにさえ思わせます。価値の源泉が、モノから知恵や情報へと移っていく現代においては、モノを奪...
5月16日の日本経済新聞に『アジア デカコーンの警告 日本企業が逃した市場とは(梶原誠)』というコラムがありました。 インドネシアにゴジェックGo-jekというバイクの配車サービスから発展している会社があります。今や、企業価値は100億ドルを超え、世界に17社しかない「デカコーン」の1社で...
東南アジア事業を立て直したい、というコンサルティング相談が増えてきました。 ベトナムをはじめ、東南アジア展開が改めて注目されるようになってから、数年が立ちました。ところが、 ・進出当時に期待していたほどには事業が立ち上がっていかない ・利益が増えない ・未だに赤字だ という会社も多...
ベトナムに関するコラムを担当していますが、番外編として、ミャンマーのお話を。 (ミャンマーについて毎回充実した記事を執筆していただいているのは、宍戸さんのコラムです。http://www.link-gs.co.jp/column/c03/shishido/index.html) 新...
日本企業のアジア展開の支援を続けていて、ずっと考えていることに1つは、 「アジア展開に成功する日本企業と失敗する日本企業の違いは、どこにあるのだろう」 ということです。もちろん、個別の事情や、運や縁、など、様々な要因が複雑に影響しているので、一言で説明することなどできないわけですが、共通す...
日本で頻繁に報道されている外国人技能実習制度などの外国人労働者に関するテーマは、逆に、送り出し元であるベトナムでも報道されています。VN-Expressに掲載された記事によると、2018年にベトナムから国外に出国した労働者の人数は142,800人、対前年比で6%の成長を記録したとのことです。そ...
ベトナムに進出した日本企業(ここではBtoB企業を想定します)が事業規模の更なる拡大を目指すとき、現地企業に対するビジネスを拡大しようとするのは自然なことです。 あるいは、現地企業を顧客として獲得できなければ、ベトナム事業の黒字化が実現できそうにない、という状況も少なくないように実感してい...
前回のコラムでは、クアン国家主席の逝去について触れました。以降の議論の結果、チョン書記長が国家主席を兼任することになりました。 ベトナムでは、書記長、国家主席、首相、国会議長の4人が集団指導体制を採ることが一般的ですので、今回の決定は極めて異例ということになります。 新聞などでは、チョ...
9月21日、ベトナムのチャン・ダイ・クアン国家主席の逝去が報じられました。26日、27日には葬儀が執り行われ、彼の故郷であるニンビン省キムソン群にて眠りにつきました。クアン国家主席は、1956年生まれ、1972年に革命に参加して以降、公安省と共産党の要職を経て、2016年に国家主席に就任しまし...
ベトナムのEC事業者 Sen Do Technologyが、5,100万USDの調達(第三者割当増資)をプレスリリースしました。引受先は、SBIホールディングスなどの企業群です。昨年のベトナムのスタートアップの調達額ランキングを見ても、今回の調達額が非常に大きなものであることが分かります。 ...
ベトナムで大手企業と言えば国営企業というイメージが強いかもしれませんが、ベトナム経済を大いに支えている民間企業もあります。例えば、VinGroup。ベトナムに訪れたことがある方には、ビンコムセンターというショッピングモールを開発した会社という紹介が良いかもしれません。 Phạm Nhật ...
先日、私が所属するコーポレイトディレクション(CDI)が、台北市にて、台湾経済研究院(TIER)との「日台戦略的提携プラットフォーム」設立を記念したセミナーを開催致しました。 日本企業・台湾企業の連携が持つポテンシャルについては、以前より多く論じられてきましたが、 成功事例として挙げられる...
WeAreSocial(https://wearesocial.com/)という会社が、世界のインターネット利用状況に関するレポートを定期的に出しています。変化の早い業界について短い間隔でレポートが出てくるので、定点観測するのに役立ちます。 東南アジアに関する部分を一部引用します。 ...
事業計画と事業計画「書」というのは、別のモノです。 書類としての隙の無さを突き詰めてばかりいては、いつまでたっても事業は前に進みません。 事業計画そのものが無意味であると言っているわけではありません。ベトナムをはじめ、新興国での事業展開では、不確実なことや、やってみて初めて分かることも...
ベトナムは変化の激しい場所ですから、少し前のモノの観方(市場や労働者などに対する理解の仕方)が、時代遅れになってしまうというのは、よくあることです。間違ったモノの観方に基づいた意思決定は、もちろん間違ったものになりやすいわけですから、モノの観方を遂次アップデートすることは、成功の第1条件で...
やはり、駐在期間が3年というのは、短い。ますます、そういう時代になってきているように感じます。 極端に言えば、最初の1年はなれない環境に戸惑っているうちに過ぎてしまい、次の1年でようやく海外での働き方が自然とできるようになってきますが、3年目に入り自分らしさを活かして何かを仕掛けようと思う...
私はベトナム企業にもコンサルティングしているのですが、やはり日本企業で見る景色とは違うものがあります。特徴的なのが人材の流動性です。現場の社員も、管理職も、よく入れ替わります。 そうなってくると、組織改革に対する考え方も変わってきます。「まず組織構造(ハコの形)を考えたうえで、そこにフ...
Vietnam Investment Reviewによると、ベトナムの携帯電話量販店大手のモバイル・ワールド(ベトナム語の名前は、テー・ゾイ・ジー・ドン)が、ドラッグストアチェーンのフック・アンを買収することを決めたとのことです。ベトナムに出張された方は、黄色い店舗の携帯電話ショップを見か...
2017年11月10日11日に、ベトナム中部のダナンでAPEC(Asia Pacific Economic Cooperation)首脳会議が開催されました。 なお、日本ではあまり報道されていませんが、ベトナムに首脳や関係閣僚が集まる数日前、ベトナム中部には大型の台風が上陸していました。死...
ここのところ、日本企業の海外展開の現場では、「現地化」がブームです。「現地化」の進捗状況に関するアンケートは頻繁に行われていますし、その「現地化」を推進するための手法についても様々に紹介されています。現地ミドルマネジャー/シニアマネジャーの育成を目的とした研修もたくさん提供されていますし、管理...
1985年のプラザ合意は、日本企業のアジア展開にとって、大きな転換点でした。大幅に円安が進んだことで、アジアでの生産拠点が増えていきます。それから30年以上が経った今、ベトナムを含むアジア諸国は、次なる転換点を迎えています。世代交代です。 プラザ合意以降、日本企業とビジネスパートナーになっ...
気付けば「これからはアジアの時代だ!」と、よく言われるようになりました。多くの場合は、アジア各国の経済的な成長の勢いに乗ろう、という文脈です。一方で、最近のニュースを騒がせているのも、「アジア」であります。これは、どちらかと言えば、物騒だなぁ…というような文脈。「アジア」に期待を...
ベトナムでは韓国企業の存在感が大きいと言われています。 実際、ベトナム進出している日本企業が1,553社(2016年3月時点。出所:ジェトロ)に対して、韓国企業は5,509社(2016年末時点。出所:在ベトナム韓国大使館)です。また、在留者数も、日本人が14,695人(2016年度、出所:...
6月5日、ホテルニューオータニで「ベトナム投資カンファレンス」(ジェトロ、ベトナム計画投資省主催)が開催されました。グエン・スアン・フック首相の訪日に合わせて、ベトナムの現在と今後につき、フック首相自身からプレゼンテーションをいただき、その後、日系企業も交えたパネルディスカッションも行われ...
今回は、台湾について。 台湾の新政権が掲げている経済政策の目玉として、「新南向政策 New Southern Policy」というものがあります。これは、台湾企業の東南アジア・インドへの進出を後押ししようとするものです。台湾企業はここ数年、中国本土への投資を活発にしてきましたが、その投...
ベトナムを代表する企業であるビナミルクが、いわゆるコーポレイトガバナンスの体制を変更しました。 2017年4月に開催されたビナミルクの株主総会で、コーポレイトガバナンス体制の変更が承認されました。3名の社外取締役が選任され、それぞれが監査委員会、指名委員会、報酬委員会の委員長を務めるこ...
YouTubeの「不適切な」動画のアップロードに対して、ベトナム政府が管理を強めています。2017年2月、ベトナム政府は、YouTube上の17の動画を特定しました。ベトナムの歴史を歪曲したり、扇動的であったり、ポルノであったり、というのが、その理由です。また、それに併せて、それらの動画の再生に...