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矢野 暁(サムヤノ)
Satoru Yano
慶應義塾大学を卒業後、東南アジア諸国における経済・社会インフラ開発に従事。その後、英国投資銀行にて、食品・飲料、ヘルスケア、衣料、小売等の分野のクロスボーダーM&Aの仲介・助言業務に携わる。ベトナム政府に対する国家開発支援アドバイザー、同国での多岐にわたるベンチャー事業の成功を経て、1999年にCrossborderをシンガポールに設立。ASEANを中心に、B2C・B2Bの事業を問わず大手日本企業や中堅企業がアジアで新規市場参入および事業拡張・改善をするために、戦略、組織、パートナーシップ、マーケティング、人材などの面で支援を行っている。また、アジア・ASEANや異文化・リーダーシップなどをテーマとする企業向けセミナーおよび社内研修の講師も務める。シンガポール経営大学(Singapore Management University: SMU)の企業研修部にて、日本企業、多国籍企業、シンガポール企業へのプロジェクト・コーチ&ファシリテーターも兼務。「アジアから日本を元気にする!」と「草の根レベルで地道にコツコツと」をモットーに、アジアを駆け巡りながら毎月の訪日も欠かさない。シンガポール永住。
<今夏もヘイズが無い!?> 今から約3年前の2015年10月、私はこのコラムにヘイズのことを執筆しました(No. 11『ヘイズ(煙害)のリスク』参照)。その年はインドネシアのスマトラ島やカリマンタン(ボルネオ島)から押し寄せる煙の量と被害の期間が凄まじく、「こんな状況が毎年続くようならシンガ...
<最近の調査結果では・・・> 海外の就業条件などに関して情報提供を行う国際的人材調査会社ECA International(以下、「ECA」)が毎年実施している調査の一つに、「MyExpatriate Market Pay Survey」というのがあります。この調査では、企業が海外へ従業員を...
<ちょっとFuturistic> 最近、特にビジネス中心街の界隈で電動キックスクーターなどの総称Personal Electric Vehicles (PEVs:個人用電動移動支援機器) が歩道を颯爽と行き交うのを多く見かけるようになりました。2~3年前はまだ物珍しい程度でまばらでしたが、今...
<キャッシュ vs キャッシュレス> 最近、箱根に家族と旅行した際に、結構有名で規模もそこそこはある老舗旅館に宿泊したのですが、なんと!クレジットカード払いができませんでした。昨今の日本旅行ブームの中で、私たちが滞在した時も恐らく3分の2くらいの宿泊客は外国人でしたが、小さな受付カウンターの...
<なぜインター校に?> 世界中の他の主要都市と同様に、シンガポールにも非常に立派で歴史のある日本人学校があります。小学部2校、中学部1校から構成されていて、生徒数は合計で2,000人以上と大規模です。世界で3番目の規模だそうです。教育の質は高く、学校施設はシンガポールの中でも傑出した充実ぶり...
<傑出したインター校市場> タイやマレーシアでは政府の規制緩和も手伝ってインター校の数が急増しましたが、正直なところ「なんちゃってインター校」が圧倒的過半数を占めます。知名度が高く、外国人子女やエリート層子女の対象として検討されるようなインター校は結構限られています。主要な正真正銘のインター...
これから3回にわたり、インターナショナルスクール(以下、インター校)について書きます。お子さんがいる場合、海外へ家族を帯同した際に経験できる「またとない機会」の一つとして、子供を現地日本人学校ではなく敢えてインター校へ通わせる、という選択肢があります。もちろん費用はべらぼうに高く(日本の大部分...
<世界最強のパスポート> 10月も終わろうとしていた時、当地の主要紙The Straits Timesやテレビ局Channel News Asiaが、「ついにシンガポールのパスポートが世界最強になった!」と大々的に報じました。 輝かしいランキングNo.1が山ほどあるシンガポール(シンガポ...
<功罪と本質> モノやサービスなどを多くの人と共有して利用する「シェアリング・エコノミー」が、最近流行りになっていますね。インターネットなどの技術進歩が大いに貢献しているわけですが、個人的には結構「懐疑的」に感じることもあります。タクシーにしても宿にしても、今まであんなに規制していたのに、「...
<独立記念日のショー> 先日、シンガポールに移住して16回目のNDPを家族と一緒にテレビで観ました。来星して暫くはあまり興味が無く、「折角シンガポールにいるし、まあ観てみようか」程度だったのですが、ここ十年ほどは、祝日である8月9日に在星している時は、手の込んだ「一大ショー」を楽しみにしてい...
<自由貿易推進への逆風> 戦後「自由貿易主義」「グローバリズム」を主導してきた国々が、手のひらを返したように「自国ファースト」と叫び出し、それに引っ張られるように新興国を含め、世界のあらゆるところで「内向き志向」の傾向が強まっています。そうした中で、EU(欧州連合)やNAFTA(北米自由貿易...
<シンガポール建国2年後に設立> 皆さんもご存じのとおり、今年2017年8月8日にASEANは設立50周年を迎えます。シンガポールがマレーシア連邦から分離独立したのが1965年8月9日ですから、ちょうどそれから2年後の1967年8月8日に「ASEAN設立宣言(バンコク宣言)」が行われたわけで...
前回(25)では、今年1月1日からEP取得のハードルが更に一段と高くなったことを書きました。今回もこのテーマに関連して、いくつかの重要な考察を行いたいと思います。 <日本企業の対応> EP取得のハードルが大卒初任給30万円近くの高さまで来ますと、地場企業を含む全ての企業が外国人雇用につい...
<最低給与額はS$3,600へ> 2017年1月1日より、シンガポールの就労ビザの一つEmployment Pass (EP)の取得には最低でもS$3,600の月額固定給が求められるようになりました。それまでのS$3,300から一気にS$300と9%の上昇となります。もっとも2014年1月1...