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小川 達大
Tatsuhiro Ogawa
YouTubeの「不適切な」動画のアップロードに対して、ベトナム政府が管理を強めています。2017年2月、ベトナム政府は、YouTube上の17の動画を特定しました。ベトナムの歴史を歪曲したり、扇動的であったり、ポルノであったり、というのが、その理由です。また、それに併せて、それらの動画の再生に際してビナミルク、ベトナム航空、P&G....
ベトナム初の民間旅客航空会社が生まれたのは、2011年(就航)です。ベトジェットエア(Viet Jet Air)です。今やベトナム国内の旅客数シェアを国営ベトナム航空を分け合う存在にまで成長し、2017年2月28日にはホーチミン証券取引所に上場しました。 このベトジェットエア、...
テト(旧正月)を迎え、ベトナムも新しい年を迎えました。一方そのころ世界は、トランプ大統領就任後の嵐に揺れていました。就任初日に環太平洋パートナーシップ協定(TPP)からの離脱を正式に表明しました。もっとも、ヒラリー・クリントン候補も離脱の方針を表明していましたので、アメリカが抜ける、ということは、もっと前から分かってい...
新興国事業について議論している時には、時間軸を意識することが大切です。例えば、ベトナム事業について、社内に対立した意見があるかもしれません。ある人は「ベトナムに進出している日本企業向けのビジネスを中心に展開するべきだ」と主張し、ある人は「ベトナムでビジネスをするのだから、...
今回は、ほとんど裏付けのない議論ですが、ハノイの旧市街を歩いていて、「ハノイが変わりつつあるかもしれない」という気がしてきましたので、そのことを書き留めておきたいと思います。ベトナムは、首都・政治の街ハノイ市と、商業の街ホーチミン市という風に言われています。1年中熱気に溢...
本論と直接は関係ありませんが、アメリカでトランプ大統領の誕生が決まりました。トランプ氏は「大統領就任初日にTPP(環太平洋経済連携協定)から離脱する」と発言していますので、TPPの発効は難しくなったという見方が強まっています。ただ、トランプ氏の勝利とは別の次元の大きな国際的な流れを見ても、保護主義的な動きが高まっています...
ベトナム北部バクニン省で、大きな変化が起こっています。数年前まで農家として家畜や米を育てて生計を立てていた或る人が、今や、小売商店のオーナーとなり都市部の金融マンを越える収入を得ています。サムスングループの進出と拡大のおかげで、地域の景気が急拡大...
日本企業の強みは、「人づくり」にあると思います。しかし、日本企業のアジア展開に目を向けると、この「人づくり」の勝ちパターンが、十分に機能していないように思われます。今回は、この点について、いくつかの視点で考えてみたいと思います。◆「現地スタッフの学習能力が低い」?ベトナムやその他のアジア地域で活動する日本企業と議論をしている...
7月30日、ホーチミン髙島屋がオープンしました。ベトナム初の日系百貨店の進出に街は盛り上がりを見せています。髙島屋のプレスリリースによると、百貨店では約210のブランドを扱い、そのうち58ブランドがベトナム初、31ブランドが日系ブランドということです。また、髙島屋百貨店が入居するショッピングセンター「サイゴンセンター」内の専門店としては145店舗が入居予定です。◆フルパッケージの...
6月末、在ホーチミン日本国総領事館のウェブサイトに、ある情報が掲載されました。タイトルは「大規模デモ発生に関する注意喚起」。実は更に遡ること2か月弱前の5月初旬には、ベトナム各地でデモが起こっていました。ベトナム中部の沿岸で魚が大量死し、岸に打ち上げられるという事案が相次ぎ、この地域で建設中の製鉄所からの排水が原因であるという見方が広がったのです。デモは、その製鉄...
2016年3月にトヨタ自動車がインドネシアに開所した工場が注目を集めています。エンジンの主要工程である鋳造、機械加工、組み付けを1つの屋内に集約しており、こうした工場はトヨタ初だそうです。(出所:「トヨタ、新興国エンジン工場の『進化力』」(ニュースイッチ2016/6/13))需要の変動が激しい新興国市場への対応力を備えるために、これまでのトヨタのノウハウを結集した新型工場を建設...
5月22日21時30分頃、アメリカのオバマ大統領が、ハノイのノイバイ空港に到着しました。オバマ大統領にとっては、就任後初のベトナム訪問です。翌23日、チャン・ダイ・クアン国家主席と会談したオバマ大統領は、ベトナムに対する武器輸出を全面解禁すると発表しました。ベトナム戦争終結以降、41年ぶりの全面解禁となります。オバマ大統領は、「中国を念頭に置いたわけではない」と述べたとのことで...
ベトナムの夜は、ビールに限ります。もわっとした熱帯夜には、路上で小さなプラスチックの椅子に座ってビールを飲む人々の姿を、そこら中で目にします。350mlの缶ビールが100円以下ですから、「もう1缶」とついつい手が出てしまい、飲み過ぎてしまうものです。これほどビールが安いとなると、ベトナムのビール会社は、あまり儲かっていないのだろうと、確認をしてみると、実は、そういうわけで...
■ベトナム企業が経営戦略づくりに取り組む背景と意義ベトナムで経営戦略コンサルタントとして活動しておりますが、ここ数年、ベトナム企業から経営に関する相談を受ける機会が増えてきました。中期的な経営戦略を作る際のアドバイスを求めるような相談です。以前は日本企業からの投資を単に求めるような話が多く、その背景にあるのは資金不足というようなことで...
日本企業の海外事業マネジメントを観察していて抱く違和感。今回は、このことについて考えてみたいと思います。■日本企業の海外マネジメントのクセ日本企業の海外マネジメントには大きく2つのクセがあると思っています。1つは、本社と現地法人との間でやり取りされる情報の中身についてです。本社側が財務情報やKPI(key performance indicator:主要業績指標)...
1月24日に、奄美大島で115年ぶりの雪が降っていた頃、ベトナムにも雪が降りました。これまで雪を経験したことのない地域でも積雪が記録されるなど、記録的寒波に見舞われました。ベトナム北部の山岳地帯サパにも雪が降り、多くのハノイ市民が雪景色を求めて観光に出かけたそうです。ベトナムの新聞には、初めて雪を見た人たちの声が紹介されています。一方で、雪の経験が少ないために、地元の人...
ベトナムの魅力を語るとき、「若くて優秀で器用な人材を、比較的安く、大量に獲得できる」と言われることがあります。今回は、この点について、考えていきたいと思います。■日本企業から見たベトナムの魅力国際協力銀行の調査によると、ベトナムが有望な展開先である理由として、(1)現地マーケットの今後の成長性、(2)安価な労働力、(3)優秀な人材、(4)他国のリスク分散の受け皿として、(5)現地...
日本企業のベトナム展開の中で、よく耳にする言葉。「リスク」。今回は、この言葉について考えていきたいと思います。■挙げればキリが無い(?)ベトナムリスクベトナムを含むアジア新興国では、市場環境や現地企業に関して、意思決定に必要な情報を揃えることが難しいです。そういった情報の不十分さは、不確実性となって企業経営に影響を与えます。日本企業のリスクに対する関心は非常に高く、...
ベトナムの大学で、学生向けに論理思考やチームビルディンクをテーマにした研修をしたことがあります。ベトナム人大学生にとって外国人ビジネスパーソンの話を聞く機会は少ないようで、非常に熱心に取り組んでくれたという印象です。チームビルディングの一環としてペーパータワー作りをしてもらいました。紙のみで出来るだけ高いタワーを作るという至ってシンプルな内容ですが、課題設定、方針検討...
■中秋節で仲を温める9月27日は、中秋節でした。中国文化の影響を大きく受けているベトナムでは、中秋節の時期になると、街中に提灯が飾られます。基本的には赤色の提灯なのですが、中にはドラえもんやピカチューの形をした提灯もあります。中秋節の当日には、獅子舞を呼ぶようなこともします。中華街に住む大人と子供で結成された団体があるようで、その人達が人の集まるような場所に出張してきます。...
■「割に合わない?」日本語学習国際交流基金の調査では、5万人のベトナム人が、ベトナム国内で日本語を学んでいるそうです。日本語学習者の多さは、日本企業が活動する土壌の充実に繋がります。しかし特に優秀層において、日本語学習への意欲が弱くなってきているのではないか、という話を聞きました。アジア新興国は、世界中の企業から成長エンジンとしての注目を集めています。マネジャークラス・C...
■日本企業のベトナムM&Aのトレンドベトナムに参入するにあたって、現地企業に対する出資や買収は有力なオプションです。既に稼働している生産拠点を活用できたり、ベトナム全土に広がる販売ネットワークを獲得できたり、ということで、自社のみでベトナムに進出するよりも短い時間での事業立ち上げが期待できます。いわば「時間を買う」ということです。ベトナムが、生産拠点としてだけではなく、市場(消費地)...
7月6日にバンコクで開催された「ASEAN経済共同体(AEC)時代の事業戦略-日本の重要な製造中枢、タイ」というフォーラムの中で、タイのプラユット首相が講演をしました。講演の中で首相は、タイ経済成長のカギとして年間取引額が9,000億バーツ(筆者注:約2.7兆円)におよぶ国境経済の活性化を挙げました。更に交流は活発になり、来年度は取引規模が倍増するとの予測も出ています。(バンコク週報(2015/7/10))2015...
ベトナムで活動する日本企業に事業運営上の課題を聞くと、いつも、「現地人マネジャーの育成」が上位に入ります。ミドルマネジャーの育成に課題を感じるというのは、世界中のあらゆる企業に当てはまることでしょうし、その課題意識が「最近の若いモノは、、、」というニュアンスを含んでいるとすれば、もはや人類の有史以来の問題意識であるようにも思います。(古代エジプトの壁画にも「最近の若いモノは、、、」という...
ホーチミン市の大通りであるグエンフエ通りは、戦後40周年に合わせて整備されました。2015年4月30日は、ベトナム戦争終結40周年の日でした。40年前の1975年4月30日、北ベトナム軍が南ベトナムの首都サイゴン(現ホー・チ・ミン市)に侵攻し、南ベトナムが崩壊、すなわち南北ベトナムが統一されました。当時の南ベトナムの大統領官邸が、今「統一会堂」として観光スポットになっている建物です。パリ和平協定が締結され、ア...
ここ1年ほどで、Beer Clubなるものが急増しています。いわゆるディスコクラブや外国人向けのバーとは異なり、ベトナム人向けのビールを楽しむ店です。弊社のオフィス近くのBeer Clubでは、暗がりの大音量の中で、会社帰りの若者達(入社1-3年目くらいのイメージです。中には、「未成年っぽいなぁ」という人達も)が、体を軽く揺らしながらビールを飲んでいます。この大音量の中では、会話が出来るとは思えませんが、「モ、...
この度、ベトナム版ウェブコラムの担当をさせて頂くことになりました小川と申します。ベトナムで暮らしながら、他の国も含めた東南アジアでの経営コンサルティングをしております。私は、大学生の時にベトナムを個人旅行して、ベトナムが大好きになりました。「住めば都」ならぬ、「住む前から都、住んでみてやっぱり都」といったところでしょうか。さて、仕事柄、ベトナム企業の経営者や幹部と議論することが多くあります...