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COLUMN コラム

悠久の国インドへの挑戦

2015.08.31

「悠久の国インドへの挑戦」23 従業員満足度調査(ESI)そのII

藤崎 照夫

タンジャーヴールの寺院:タンジャーヴールは、インドのタミル・ナードゥ州にある都市で、タンジャーヴール県の県庁所在地。カーヴェーリ川の河畔に発達した古都である。

先月号では何故この調査を実施しようと思ったのかについて述べましたが、今月はこの調査をどのように展開したのか、また調査の結果と対応策はどのように実行したかなどについて話を進めて行きたいと思います。

1)展開方法

調査を実施するに当たって先ず幹部社員に対して何故このような調査を実施するのかを説明し、その趣旨を理解してもらった上で各部門の部門長、マネージャーを通して従業員全員に用紙を配布しました。実施期間は2週間とし、各部門の部長が回収責任を持ち事務局である総務部長に届けるようにしました。

2)調査結果と対応策

前回調査内容については触れましたが、会社の経営方針や将来への夢についてはこれまでフィロソフィー研修、Two way communication等の色々な機会を捉えて話をしてきた結果が反映されたのでしょうか。皆良く理解をしてくれているという結果が出て安心した次第です。但し、上司が十分に仕事上の問題解決に力を貸してくれているかなどについてはばらつきが見られました。我々の経験でも色々な上司がいたのを思い出しました。次にこれから実際出された従業員の要望の幾つかとそれに対する対応策について述べて行きたいと思います。

―PDIセクションでの酷暑対策―

工場では、生産ラインでの最後の簡単なチェックが終わると工場の外にあるPDI(Pre Delivery Inspection)というところに車を運びそこでベテランの検査マンが販売店への配車の前の最終検査をする仕組みになっていました。この検査場には屋根が付いていて通常2~30台の車が置かれて順次検査を受けていました。ところが一旦品質問題が発生するとこの場所に置く車の数が増えてそのスペースでは置ききれず屋根のない屋外に車がオーバーフローする状態になってしまうのでした。

そうすると酷暑の時期になるとこの屋外に置かれた車はどのような状態になるかと言いますと車内温度は60~70度ぐらいになりハンドルも熱くて手を触れることも出来ないような正にサウナ状況でとてもこの車中では検査業務は出来ないので何とかして欲しいという検査員からの要望でした。

それで私も同じような状況の車中に入ってみましたがその結果これはすぐに何とかしなければという結論になりこれまで付いていた屋根をOneSpan広げて炎天下の作業はしなくて済むように手を打ちました。

―ロッカールームの換気扇―

我々日本人は外国の人達と比べると比較的体臭が薄いと思いますが、インドの人達は比較的に強い体臭を持っています。工場の中に従業員用のロッカーがありましたが、彼等が出勤、退勤時に着替える際に匂いがロッカールームにこもって臭いので何とかして欲しいという要望が数多く寄せられました。これはそんなに難しい問題ではなかったので、ロッカールームに換気扇を取りつけて匂いが充満しないようにしました。紙面の関係で今月はこれまでとして来月も引き続き従業員の要望と対応策などについてお話ししたいと思います。

藤崎 照夫

Teruo Fujisaki

PROFILE
早稲田大学商学部卒。1972年、本田技研工業(株)入社後、海外新興国事業に長年従事。インドでは、二輪最大手「Hero Honda」社長、四輪車製造販売合弁会社「Honda Siel Cars India」初代社長として現地法人トップを通算10年務める。その後、台湾の四輪製造販売会社「Honda Taiwan」の初代社長、会長を務めた後2006年同社退職。現在はサンアンドサンズ社、ネクスト・マーケット・リサーチ社等の顧問として活躍インド、アジア事情に幅広く精通している。

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