グローバル HR ソリューションサイト
by Link and Motivation Group

グループサイト

文字サイズ

  • 小
  • 中
  • 大
  • お問い合わせ
  • TEL:03-6779-9420
  • JAPANESE
  • ENGLISH

COLUMN コラム

名画から選んだ美しい英語

2015.01.13

名画から選んだ美しい英語(99)

原島 一男

“The heart is an organ of fire.”
「ハートは燃える器官」(イングリッシュ・ペイシェント)

映画の中で話されている、上品で丁寧なフレーズをそのまま紹介する連載。

第2次大戦末期、イタリア北部の丘に建つ廃虚になった修道院の一室。飛行機墜落事故で全身を火傷した考古学者のアルマシー(レイフ・ファインズ)は、身元不明だったが故に’イギリス人の患者’と呼ばれ、看護師ハナ(ジュリエット・ピノシュ)の介護を受けながら、運命に翻弄された恋の日々の記憶をたどります。ハナはアルマシーが持っていた手紙の走り書きを見付け、アルマシーに読んで聞かせます。

------------------------------------------------------------------------------------

HANA: This isn't your handwriting, is it? 「これ、あなたの筆跡じゃないわね?」
THE PATIENT: Yes, it is. 「ぼくの筆跡だ」
HANA: "December twenty-second. 「『12月22日。戦争のときの裏切りは、
Betrayals in war are childlike, 平和なときの裏切りに比べて
compared with our betrayals during peace. 子供じみている。
New lovers are nervous and tender, 新しい恋人たちは臆病で優しい、
but smash everything --しかし、すべてを破壊する。
for the heart is an organ of fire... 何故ならハートは燃える器官だから」
HANA: “for the heart is an organ of fire.” 「『何故ならハートは燃える器官だから』、
I love that. I believe that. これ、いいわ。そう信じるわ
K... Who is K? K,  Kって誰?」
THE PATIENT: K is for Katharine. 「 K はキャサリンのことだ」

-「イングリッシュ・ペイシェント」
(The English Patient 1996年 監督/脚色:アンソニー・ミンゲラ
原作:マイケル・オンダーチェ)

------------------------------------------------------------------------------------

キャサリン(クリステイン・スコット=トーマス)と過ごした愛の日々。アルマシーにそのときの想い出が蘇ります。英国地理学協会の依頼でサハラ砂漠の地図作りをしていたアルマシー。そこに現れたのがキャサリンでした。

ハンガリーの独身男性とイギリス人の人妻の恋、そこに悲惨な戦争の現実。人間の心の内面と戦争の虚しさを追います。カナダ在住の作家マイケル・オンダーチェの文体は簡潔で詩的です。

ここで、この「ハートは(炎のように)燃える器官だから」から想像を巡らせると、

・The brain is an organ of daylight.(脳は光線の器官)
・The liver is an organ of dark despair.(肝臓は暗い絶望の器官)
・The spleen is an organ of jealousy.(ひ臓は嫉妬の器官)   など、となります。

・原島一男著 「単語で通じる英会話」(ベレ出版) 発売中
・原島一男著「映画のなかのちょっといい英語」(麗澤大学出版会) 好評発売中

原島 一男

Kazuo Harashima

PROFILE
一般社団法人内外メディア研究会理事長、ノンフィクション作家。慶應義塾大学経済学部卒業。ボストン大学大学院コミュニケーション学科に留学後、1959年NHKに入局。国際局で英語ニュース記者・チーフプロデューサーを務める。定年退職後、山一電機株式会社に入社、取締役・経営企画部長などを務める。現在、英語・自動車・オーディオ関連の単行本や雑誌連載の執筆に専念。日本記者クラブ・日本ペンクラブ会員。『店員さんの英会話ハンドブック』(ベレ出版)、『オードリーのように英語を話したい!』(ジャパン・タイムズ)、『なんといってもメルセデス』(マネジメント社)など、著書多数。

このコラムニストの記事一覧に戻る

コラムトップに戻る