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2015.02.09
原島 一男
映画の中で話されている、上品で丁寧なフレーズをそのまま紹介する連載。
原名の「ハリーがサリーに会ったとき」を想像しながら、一組の男女の会話を聞いてみましょう。
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HARRY: The first time we met, we hated 「最初に会ったとき、
each other. 私たちは憎み合った」
SALLY: No, you didn't hate me, I hated you. 「いや、あなたは憎まず私が憎んだの。
And the second time we met, 二度目に会ったとき、あなたは
you didn't even remember me. 私を覚えてさえもいなかった」
HARRY: I did too, I remembered you. 「そんなことはない、覚えていた。
The third time we met, we 三度目に会ったとき、
became friends. 二人は友だちになった」
SALLY: We were friends for a long time. 「長い間、私たちは友だちだった」
HARRY: And then we weren't. 「それから、友だちでなくなった」
SALLY: And then we fell in love. Three「それから、二人は恋におちた。
months later we got married. 3か月後、私たちは結婚した」
-「恋人たちの予感」(When Harry Met Sally... 1989年
監督:ロブ・ライナー 脚本:ノーラ・エフロン)
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ハリー・バーンズ(ビリー・クリスタル)はシカゴ大学法学部を卒業したばかり。アメリカの学生仲間の間では、長距離のドライブの費用を分け合う‘ライド’の習慣が根づいていました。ハリーはガールフレンドのアマンダの親友のサリー・オルブライト(メグ・ライアン)の車に乗せてもらって、シカゴからニューヨークへ向かいます。
この二人の男女は、それから12年の間、つかず離れずの関係を続け、セックスなしの友人としての間柄が可能かどうかを実証しました。それというのも、ハリーは「男女の友情はセックスがじゃまになって成立しない」と主張、サリーは「セックスなしの男女の友情は成立する」と、お互いの意見が分かれたままだったからです。その後、二人とも様々な経験を積みながら、付かず離れずの関係を続けていました。
原題の ‘When Harry Met Sally...” は、「ハリーがサリーに会ったとき」。これでは説明的すぎて、タイトルには不向きです。日本版の「恋人たちの予感」は、なかなかいいタイトルです。それで、男女の予感を通して、男女の考え方の違いや価値感などをさまざまな角度から観察してきますが、上の会話を最後に映画は終わります。いろいろあっても、結局は結婚という当たり前で平凡な結果に落ち着いたわけです。しかし、私たちが本当に知りたいのは、この後の二人がどうなるか、ということでしょうけど。
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原島 一男
Kazuo Harashima