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2016.03.14
原島 一男
映画の中で話されている、上品で丁寧なフレーズをそのまま紹介する連載。
サンフランシスコの大学で教鞭をとるフランシス(ダイアン・レイン)は離婚のショックから立ち直るためイタリアを訪れます。そして、トスカ?ナ州のコルトーナで5エーカー(6000坪)の土地に建つ築300年の古い家に出会い、それから毎年数カ月ずつ滞在して、その「プラマソーレ」(太陽を焦がれるもの)という名前をもつ家に命を吹き込み、よみがえらせていきます。荒れ果てた室内を住めるように改造したり、敷地内のオリーブなどの果樹園を手入れします。そんなとき、家の装飾品を探しに出掛けたローマで、フランシスはマルチェロ(ラウル・ボヴァ)というイタリア青年と知り合いになり、つかの間のドライブを楽しみます。二人の会話。
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MARCELLO: I run into you in the street in Rome... 「ぼくたちはローマで出会った。
and now we're here. そして、今ここにいる」
FRANCES: Didn't you have plans? 「予定はなかったの?
Didn't you have something you had to do? なにか、しなくてはならない用事はなかったの?」
MARCELLO: So what? 「それが何なの?
If you smash into something good... なにか良いことに出会ったら、
you should hold on until it's time to let go. それが終わるまでは、そのままにしておくものだよ」
-「トスカーナの休日」(Under the Tuscan Sun 2003年 監督/脚本:オードリー・ウェルズ)
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いかにも世慣れたプレイボーイらしい言葉。それにつられたのか、フランシスは、知らず知らずの間に、プラマソーレで結婚式をあげ、家族をつくることを夢みていくのですが…
フランシスにとって、プラマソーレは夢をはぐくみ、成長させてくれる場所となりました。ただ古い家を修復するだけではなく、その過程で経験するさまざまな人々との触れ合いによって、フランシスは彼女の自己発見をも果たしていきます。トスカーナ地方特有のなだらかな丘陵に囲まれた、豊かで、ときには荒々しい自然のもとで。原作はアメリカで200万部を記録した詩人/紀行作家フランシス・メイズのベスト・セラー。
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原島 一男
Kazuo Harashima