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COLUMN コラム

名画から選んだ美しい英語

2016.04.11

「名画から選んだ美しい英語」(115)

原島 一男

“A Martini. Shaken, not stirred.”
「マティーニを。ステァしないでシェークで」
(007ゴールドフィンガー)

映画の中で話されている、上品で丁寧なフレーズをそのまま紹介する連載。
「007ゴールドフィンガー」のワン・シーン。
悪党に捕らえられたジェームス・ボンド(ショーン・コネリー)の意識が戻ると飛行機の中、彼は美しいプシー・ギャロア(オナー・ブラックマン)が目の前にいるのに気づきます。

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PUSSY GALORE: My name is Pussy Galore. 「私はプシー・ギャロアというものです」
JAMES BOND: I must be dreaming. 「夢を見ているに違いない」
EYELEEN: Can I do something for you, Mr. Bond? 「ボンドさん、何をいたしましょうか?」
JAMES BOND: Just a drink. 「飲み物を頼む。
A Martini. Shaken, not stirred. マティーニを。ステアしないで、シェークして。
Won't you join me? 一緒につき合わない?」
PUSSY GALORE: I'm on duty. 「私、仕事中なの。
Mr. Goldfinger's personal pilot. ゴールドフィンガーさんの個人パイロット」
JAMES BOND: You are? 「あなたが?
Ah, just how personal is that? どれくらい個人的なわけ?」
PUSSY GALORE: I'm a damn good pilot... Period. 「特別有能なパイロット。それだけ」

-「007ゴールドフィンガー」
(Goldfinger 1964年 監督:ガイ・ハミルトン
脚本:リチャード・メイボーム、ポール・デーン)
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”A Martini. Shaken, not stirred.”「マティーニを。ステアしないで、シェークして」は、すっかり有名になりました。ボンドはいつも自分の飲み物に関して具体的な注文をします。オリジナルのマティーニはジンにドライ・ベルモットを少し入れ、ステアだけでシェークしないのが普通。それを、ウォッカをペースにドライ・ベルモットを入れ、シェークしてというのがボンド流なのです。マティーニの造り方は多種多様であり、ジンやウォッカだけでなく、ラムを使うこともあります。ベルモットのかわりに日本酒を入れる人もいるそうです。
プシー・ギャロアが「ゴールドフィンガー氏の個人パイロットなの」と言うと、ボンドは「どのくらい個人的?」と彼との関係を尋ねています。

・a damn good pilot =無茶苦茶に優秀なパイロット。damn(スラング)というやや乱暴な単語を使っている。
・period =ピリオド。「終わり」「それだけのこと、それ以上は聞かないで!」

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原島 一男

Kazuo Harashima

PROFILE
一般社団法人内外メディア研究会理事長、ノンフィクション作家。慶應義塾大学経済学部卒業。ボストン大学大学院コミュニケーション学科に留学後、1959年NHKに入局。国際局で英語ニュース記者・チーフプロデューサーを務める。定年退職後、山一電機株式会社に入社、取締役・経営企画部長などを務める。現在、英語・自動車・オーディオ関連の単行本や雑誌連載の執筆に専念。日本記者クラブ・日本ペンクラブ会員。『店員さんの英会話ハンドブック』(ベレ出版)、『オードリーのように英語を話したい!』(ジャパン・タイムズ)、『なんといってもメルセデス』(マネジメント社)など、著書多数。

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