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COLUMN コラム

名画から選んだ美しい英語

2017.02.13

「名画から選んだ美しい英語」(126)

原島 一男

“He's very nice... he's kind... he's attractive.”
「かれはとても良い人で、親切で、ステキで」
(南太平洋)

映画の中で話されている、上品で丁寧なフレーズをそのまま紹介する連載。
第二次世界大戦中、南大平洋の島々で起こった人間模様を描いたジェームス・ミッチェナ-の小説(ピュ-リツァー賞)を元に、オスカー・ハマーシュタイン二世とリチャード・ロジャースのコンビで作詞作曲されたミュージカル。現地に駐屯する米軍は、戦略作戦の中で、事情に詳しいフランス人農園主(ロッサノ・ブラッツィ)を利用することを考えます。看護士として働く若いアメリカ女性ネリー(ミッチー・ゲイナー)とネリーの上司ブラケットとの会話。

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BRACKETT: Miss Forbush, you've been        「フォーブッシュさん、あなたは
seeing a French planter, Emile De Becque.    フランス人入植者のエミル・デ・ベック                    と会っていますね」
NELLIE: Yes, sir.                 「はい」
BRACKETT: What do you know about him?    「彼はどんな人ですか?」
NELLIE: Well, what do I know about him?     「彼がどんな人か、と?」
BRACKETT: That's right.           「そうです」
NELLIE: We met at the Officers' Club dance.  「私たち、将校ダンスパーティーで、
He was there and I met him.          彼がそこにいて、会ったんです」
BRACKETT:  Yes. Now, what kind of a man is he?  
「それで、彼はどんな人ですか?」
NELLIE: Well, he's very nice...             「ええ、彼はとても良い人で、
he's kind...he's attractive.                  親切で、ステキで。
I just don't know what you want to know, sir.  どんなことをお知りになりたい
のでしょうか?」

「南大平洋」(South Pacific 1958  監督:ジョシュア・ローガン 
脚本:ジョシュア・ローガン、ポール・オズボーン)
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明らかに恋に落ちつつある女性が、相手のことを訊かれて、
「魅力的な人です」と話し、それ以外に何を話せというのですか?と上司に質問しています。

・You've been seeing a French planter. =「あなたはフランス人入植者と会っていますね」
 この see は、定期的にデートしている、という意味。会い続けているので現在完了進行形。
・What do you know about him? = What kind of a man is he?
 「彼はどんな人ですか?」と、ある人のことを聞くときの常套句。

この「南太平洋」で話されている米語はアメリカン・ミュージカルの典型的なものといえます。話されているほかの米語は必ずしも格調高いとはいえませんが、このミッチー・ゲイナーが上司と話す言葉は,丁寧で、しかも、こなれており、望ましい英語表現を使っています。

 

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原島 一男

Kazuo Harajima

PROFILE
ノンフィクションライター。慶應義塾大学経済学部卒業。ボストン大学大学院コミュニケーション学科に留学後、1959年NHKに入局。国際局で英語ニュース記者・チーフプロデューサーを務める。定年退職後、山一電機株式会社に入社、取締役・経営企画部長などを務める。現在、英語・自動車・オーディオ関連の単行本や雑誌連載の執筆に専念。日本記者クラブ・日本ペンクラブ会員。『店員さんの英会話ハンドブック』(ベレ出版)、『オードリーのように英語を話したい!』(ジャパン・タイムズ)、『なんといってもメルセデス』(マネジメント社)など、著書多数。

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