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北原 敬之
Hiroshi Kitahara
多くの日本企業がアメリカに進出し、各州で拠点を展開しています。企業規模・進出時期・製品・ロケーションはそれぞれ異なりますが、「現地化」という切り口で見ると、必ずしもすべての日本企業が「現地化」に成功しているとは言い難く、現地化が進まずに、日本の本社に依存したオペレーションを続けている企業も見受け...
最近、日本では、政府が長時間労働など日本的労働慣行を是正する「働き方改革」を推進していますが、筆者は、日本企業が長時間労働になりやすい原因の1つに、日本の「会議」のあり方があると考えています。「○○会議」「○○委員会」「○○検討会」など名称は様々ですが、企業に限らず官庁でも学校でも、あらゆる組織...
先日発表された「Top 100 グローバル・イノベーター2016」に選出された企業は、アメリカ企業が39社で1位、日本企業は34社で2位でした。「Top 100 グローバル・イノベーター」は、クラリベイトアナリティクス社(旧トムソン・ロイター IP&Science)が毎年1月に世界で最も革新的な企業100社を選出するもので、保有特許に基づ...
先日、日本在住のアメリカ人の友人から「Bonenkaiやりませんか?」というメール(彼も日本在住数年で日本の伝統的な風習の1つである忘年会という言葉を覚えたようです)が来て、居酒屋で数人のアメリカ人ビジネスマンと一緒に日本酒を飲みながら雑談する機会がありました。雑談のテーマは政治・経済・経営・スポーツな...
先月のアメリカ大統領選挙で、大方の予想に反して、共和党候補のドナルド・トランプ氏が、民主党候補のヒラリー・クリントン氏を破り、当選しました。ほとんどの主要メディアがクリントン氏の圧倒的優勢と分析していた事前予想を覆してトランプ氏が勝った理由については、その時代的背景も含めて、多くの政治学者やアナリス...
「Customer Satisfaction」という言葉は、「顧客満足」と訳されることが多いようですが、「高品質の製品・サービスを提供することによりお客様の満足と信頼を得る」という意味で、企業は、顧客満足度を高めるために、製品・サービス・システムの開発・改善や人材育成...
先月開催されたリオデジャネイロ・オリンピックでは、いろいろな競技で日本選手のすばらしい成績や感動的なシーンが見られ、日本が獲得したメダル数も41個と過去最高を更新したということで、日本人として誇りに思います。一方、アメリカの獲得メダル数はダントツ世界...
日本企業は基本的に「自前主義」で、すべての技術を自力で開発しようとしますが、IoT(物のインターネット化),AI(人口知能),ロボットなどの技術進化のスピードが早く、情報・通信・光学・電子・機械・自動車などの技術の融合化が進む現代においては、自前主義を捨てて、同業他社・異業種企業・研究機関・大学などと幅広く連携して研究開発を進める「オープン・イノベーシ...
日本企業による海外企業のM&A(企業の合併・買収)は年々増加しており、2015年にはじめて買収金額が10兆円を超えました。思い返せば、80年代後半から90年代前半にかけて、第1次M&Aブームが起き、日本企業による海外企業の買収が盛んになりました。特に、当時は、日本企業によるアメリカ企業の買収が多かったように記憶していますが、M&Aに慣れていない日本企業が、適正...
筆者は、アメリカ駐在時代、ミシガン州のデトロイトで仕事をしていました。デトロイトはアメリカ自動車産業の中心地として知られており、自動車メーカー,部品メーカーをはじめ、多くの自動車関連企業が拠点を構えています。経済学・経営学の分野では「産業集積」という言葉がありますが、正に、デトロイトは自動車の「産業集積地」です。今回のコラムでは「産業集積」について...
私事ですが、筆者は、勤務していた会社を3月末で定年退職することになり、先日、これまでお世話になった人達に退職挨拶のメールを送りました。多くの方から慰労や激励のメールや電話をいただきましたが、その中から、日本駐在経験の短いアメリカ人の友人達からの質問やコメントの一部を紹介います。「定年退職って何?」「知力も体力も気力もまだ十分あるのに、なぜ60歳にな...
アメリカの大統領選挙がスタートしました。現在は、民主党・共和党の二大政党がそれぞれの党の候補者を選ぶ予備選挙の段階ですが、毎日のようにメディアで大きく取り上げられ、筆者も関心を持って見ています。
アメリカの大統領選挙では、TV選挙と言われるほど、TVでの候補者のインタビューや候補者同士の討論会が多く、TVでの発言や態度が支持率に大きく影響すると言...
1月12日(火)にアメリカ議会で行われた一般教書演説(State of the Union Address)の中で、オバマ大統領は、銃乱射事件など悲劇が絶えないことに触れ、「われわれの子どもたちを銃の暴力から守る」と訴え、大統領令による銃規制強化の方針を示しましたが、銃規制強化には野党・共和党が反対しており、今後どういう展開になるか注目されます。読者の皆さんもご存じのように...
先月の大相撲九州場所で、横綱白鵬が「猫だまし」という珍しい技を使って勝ち、それを相撲協会の幹部が批判したことで、社会的に賛否両論の議論が巻き起こったこと、読者の皆さんは覚えておられるでしょうか?あの騒動の数日後、筆者は、アメリカ人の友人と食事をする機会がありました。彼は、日本在住のビジネスマンで、大の相撲好き、横綱白鵬のファンでもありますが、「猫...
筆者がアメリカに駐在していた時に驚いたことの1つは、「取扱説明書」が分厚いことでした。家電製品や子供のおもちゃ等いろいろな物を購入しましたが、箱を開けると、どの製品にも異様に分厚い「取扱説明書」が付いていて、あまりに厚すぎて読む気にならず、閉口したことを思い出します。厚くなる理由の1つは、アメリカには英語のできない移民が多いので、スペイン語等他...
シリアなど中東の紛争国から脱出した難民がヨーロッパ諸国に殺到し、難民の受け入れを巡る各国の対応の違いが世界の注目を集めています。難民の受け入れに消極的な国を批判するメディアもありますが、国によって経済水準や歴史・文化・人種・宗教が異なり、それぞれの国が特有の事情を抱える中で、安易に批判するべきでないと思います。また、難民を受け入れると言っても、...
筆者は、ビジネスマンとして、また経営学の研究者として、いろいろな企業を見てきましたが、アメリカ企業でも日本企業でも、いわゆる「エクセレントカンパニー」と呼ばれるような優れた企業には1つの共通点があると思います。それは「学習能力の高さ」です。経営学の名著の1つであるピーター・センゲ博士の『The Fifth Discipline: the Art and Practice ...
筆者のアメリカ駐在時代、大手家電量販店で小型電気製品を購入した時、購入後、自宅に戻り、早速使ってみようと思い、購入した電気製品をコンセントにつなぎましたが、全く作動せず、不良品だったことがありました。当然、筆者は、不良品とレシートを持って再び家電量販店を訪れ、クレーム窓口で、買った製品が不良品であるため良品と交換してほしい旨を告げましたが、窓口...
アメリカに進出している日本企業を見ると、企業規模・業種・進出年数などによってレベルの差はありますが、生産・販売・調達などのいわゆる「オペレーションの現地化」には成功している企業が多く、日本企業の地道な現地化努力が実を結んでいると感じますが、「経営の現地化」についてはどうでしょうか? 今回のコラムでは日本企業にとって大きな課題である「経営の現地化」...
一昔前には「アメリカ人は残業しない」とか「アメリカ人は忙しくても定時になるとすぐ帰宅してしまう」とか、ステレオタイプ的に言われたことがありましたが、もちろんそんなことはありません。仕事が忙しい時には時間外勤務でカバーするというのは日本もアメリカも共通です。日本では定時後に残って仕事する「残業」が圧倒的に多く、時には深夜まで残業することも珍しくあり...
アメリカ経済のダイナミズムの象徴の1つが「ベンチャー企業」です。世界のICT産業をリードするアップルもグーグルもアマゾンも、インターネットの普及に伴うICT化の波に乗ってグローバルな大企業に成長しましたが、いずれもアメリカで起業されたベンチャー企業です。アメリカでは毎年多くのベンチャー企業が生まれます。その大半は起業後数年で淘汰されますが、本当に優れた技...
アメリカでのビジネスで避けることができないのが「訴訟」です。「訴訟大国アメリカ」などと言われるほど、アメリカでは訴訟が多いです。なぜアメリカは日本より訴訟が多いのでしょうか?1つの理由は、国の成り立ちの違いです。「単一民族・定住型農耕民族・村社会」の日本では、争い事はできるだけしこりを残さないように当事者同士で穏便に話し合いによって解決することが最優先で、...
近年日本でも大型のショッピングモールが増えていますが、その巨大さにおいてはアメリカのショッピングモールには及びません。筆者もアメリカ駐在時には週末によくショッピングモールに買物に行きましたが、何度か行くうちに気付いたことがありました。その1つが、ショッピングモールに出店している店舗の入れ替わりの速さです。「あまり繁盛していない」あるいは「お客さんが少ない」...
亡くなってから3年経っても高い人気とカリスマ性を維持しているアップル創業者のスティーブ・ジョブス氏、世界を代表するイノベーターであり企業経営者ですが、もう1つ有名なのは、彼のプレゼンテーションの才能です。言葉・ロジック・態度・ボディアクション・画像を駆使した説得力のあるすばらしいプレゼンテーションで、アップルの優れた情報発信力はジョブス氏のプレゼンテーシ...
2015年最初のコラムをお届けします。今年もよろしくお願いします。EメールやSNSの普及で数が減ったとはいえ、恩師や友人や同僚に「年賀状」を送り、新年の挨拶や近況報告するのが日本の伝統的な習慣ですが、アメリカではどうでしょうか?アメリカで日本の「年賀状」に相当するのは「Christmas Card」です。今回のコラムでは、アメリカの伝統的な習慣である「Christmas Card」を通して、...